2007/12/23(日)
韓国では、働いている人の実に55%以上が、非正社員・・・いわゆるパート・ア
ルバイト的スタッフであり、大学を卒業した20歳前後の人たちの給与は毎月・・・
日本円で13万円程度だという。
これでは、今の韓国の物価でも、生活できるかどうかギリギリのラインだ・・。
だから、昔は子供の受験勉強用に用意されたタコ部屋(およそ2畳ほどの部屋)
を借りて生活している若い人が激増しているという。
そこで、韓国政府は新たに法律を作り・・・企業側に対して非正社員を全員・・・
『 正社員 』とするような法律を施行したが、施行される直前に・・・企業側は・・
非正社員を全員【 ク ビ 】にしてしまったそうだ。
クビにされた人達は、それに怒って街頭デモなどを起こしたが、企業側は既に
人材派遣会社から解雇した人数分の派遣社員を補充しており、再雇用は難しい
ようだ。
ここで私が感じたのは・・・企業側に無理やりコスト負担を強いる法律を作った
ところで、それがそのまま活きた・・・効果のある法律になる訳ではない。という
ことである。
現に、日本でも同様の法律が施行されている。
それは、雇用機会均等法である。 雇用する側に・・・いろいろな制約をつけては
いるが、結局は企業とは営利を追求する集団であるからして、営利活動に不利
に働くことをしていたら、企業自体が無くなってしまうからだ・・・。
それこそ本末転倒である。
従って、法律とは・・・企業側も、何らかのメリットがあるような制約でなければ、
中々思惑どおりにはいかないものである。
日本では、人材を募集する際、年齢制限や男女の別を選んだ募集広告は出来
ないように雇用機会均等法をベースに規制されているのだが・・・
正直なところ・・・20代でもキツイと感じるハードな力仕事などで、60歳以上の方
を雇うのは現実的ではない。
雇った方も雇われた方も、長くは続かないことが目に見えているからだ。もしか
したら仕事中に無理をさせて怪我をさせてしまうかもしれない。
また、女性を対象とした仕事・・・・・例えばブティックや女性の下着売り場なんか
に・・・
「 いらっしゃいまっせぇぇぇえええええ 」 というセリフを
野太い声をした40過ぎのオッサンが接客していたとしたら? ・・・・どうだろう?
私がもし女性だったとしたら・・・『 絶対に行かない店 』のリストに真っ先に登録
するに違いない。 従って、この法律自体に無理があるのである・・・。
懸命な読者なら、私の言わんとしていることがお解かり頂けると思うが、現実問題
そうなのである。
いくら雇用機会均等法で縛られても企業側としたら・・・女性を相手にする職場に
40過ぎのオッサンを・・・募集できないのだから。
そんなことを実際にしたら、お店が潰れてしまうだろう。
結果、市場の原理に合致していない法律を施行したところで、現場では到底受
け入れらず、何らかの別の手段(=非正社員を全員、別の派遣社員に切り替え
てしまう韓国企業の例など)を講じることになるだけだ。
韓国企業を解雇された人達は結局・・・
「 こんな事なら、まだ非正社員で継続して働いていた方が良かったかも? 」と
言っている・・・。
現実に即した、真の解決法を考慮した法施行が今の日本政府には求めたいもの
である。