2007/05/24(木)
モノの見方には「 角度 」があり、見える景色にはそれぞれの「 ステージ 」が
あると私は思う。
この間のブログで、著名な日本画家の先生と御一緒させて頂いた・・・というブロ
グを書いたが、その方との話の中で・・・『 角 度 』の大切さを改めて知った。
例えば、雪の深い場所で絵を描く時など、腰まで雪に浸かっていたとしても、体を
動かさずに何時間も絵を描くそうだ。少しでも体を動かしてしまうと、被写体となる
モノを観る角度が変わってしまうから、見えている景色が全然変わってしまって良
い絵が描けないという。
少し角度が違うだけで、まるっきり違う見え方になるから大変だ。
私は絵描きではないが、この話を聞いたとき私の基本となる考え方と とても似
ているなぁ・・・と思ったのを覚えている。
人が何かを見るときや観たものを批判したり評価する時など・・・その人がどうい
う角度で対象物を見ているかによって、見え方は全然違ってくるものだ。
だからこそ、人それぞれ評価や嗜好が異なっているとも言える。
従って、何か重要な案件によって判断を迫られるときは、色々な角度から検討し
てみることをお勧めしたい。
普通に考えればこうだよな・・・でも、考えようによってはこう考えることもできるし
こう考えたらもっと面白い・・・などというように、角度を変えて考えてみることは、
意外と凝り固まった考え方をほぐしてくれることだろう。
私が好んで本を読むのは・・・この『 角 度 』の違いを感じさせてくれる点が大
きい。自分では気が付かなかった側面を本を書いた人から学ぶことができる。本
を書いている人の視点は、自分が気が付かなかった側面を教えてくれたりする
ので、様々な観点から物事を観る習慣にもなり、私は大いに利用させて頂いて
いる。
例えば・・・ある建物を正面から観たら、普通の建物にしか観えなかったものが
後ろ側に回って違う角度から観たら、遊び心タップリの面白い造りになっていた
・・・なんてことがあったりする。これは、正面からしか観ていなかったら永遠に
解らない部分だ。
こういうことがモノだけでなく、考え方にも当てはまるのだと私は思う。
例えば・・・あの人は一見無愛想だが・・・実はボランティア活動をしているよ・・
なんて話を聞いたり、目にしたりすると・・・どうだろう?その人への見方=角度
は最初に見たときとはすでに変わっているはずだ・・・。
それと同じように『 ステージ 』の違いも、考え方や理解度に対して大きな違
いを生んでくれる。
私が営業を始めたまだ駆け出しだった頃・・・上司の言っている事に反発を覚え
たり、言っていることの重要性が全く理解できなかった時期があったが、自分が
上司になり、部下を持った時・・・初めて過去に上司が自分に対して言っていた
事の真意を理解したことがあった。
また・・・自分の父親や母親から叱られた意味も、今の年齢になってようやく理
解できることも多い。
そして現在、経営者となってから見える視点や景色の違い・・・そして何よりス
テージの違いには驚かされる部分もあるが、そうやって変化・成長していくこと
こそが自分が望んだ道であると考えている。
我々はたった「今」過ぎ去っていった、『 1秒前 』にすら戻ることはできない。
つまり、どんなことをしていても2度と同じ人生を戻ることはできないのだ。そう
考えると、批判や意見・・・大切な人からの一言の意味・・・そういうモノの真意
を色々な角度から探ってみるとが必要なのかもしれない。
もしかしたら・・・本当は自分の意図している意味とは違う何かが見えてくるか
も知れない。
親や上司が皆さんを叱った本当の意味は・・・その時考えていたモノとは全然
違うものだったかも知れない。
特に・・・親孝行は「 生きている内 」にしかする事はできない。
で、あれば・・・思い立ったら吉日で御座る。 今すぐヤルベシっ!!
名目は・・・『 思い立った記念日 』でも何でも良いで御座るよ。