« うっちゃりの精神 | メイン | ワールドビジネスサテライトにてオンエア »

日本の未来

                                     2007/04/10(火)

最近・・・日本の未来は大丈夫か?と訴えかけるようなTV番組がかなり増えて
きた気がする。TV番組を製作する側の世界とは、すなわち視聴率の世界であ
るからして、多くのTV番組は視聴率を上げる目的で番組は作られている。

従って視聴率の悪い番組はドンドン打ち切りになっていく。つまり、視聴率とは
今の視聴者が最も興味があるだろうな・・・という推測で作られていると言っても
言い過ぎではないと思う。

その推測が当たれば視聴率も高くなり、人気番組として長期間番組が継続す
ることになる。徹子の部屋や笑っていいとも等がロングランしているのにもチャン
と理由がある。それは、常にその時々の「 旬 」の話題性のあるタレントや俳
優や女優をゲストとして番組に招いているからだ。常に視聴者の興味が尽きな
い仕組みがあるからこそ、人気番組として視聴率を維持しているのだ。

だから・・・最近、日本の未来に不安をあおるような番組が目立つようになった
のは、視聴者が日本の未来について関心が高いことを示しているのだと、私は
思っている。

今日も、何気なくつけていたTV番組に、特別養護老人ホームの深刻な人材不
足の問題をテーマにした番組が放映されていた。海外では、既にポピュラーに
なったフィリピンからの介護士の受け入れだが、日本ではまだまだ受け入れて
いる人数が少ない。

ただ・・・今回TVに出ていた日本の老人ホームの経営者が愕然としているシ
ーンが特に印象に残った。それは・・・フィリピン人の介護士のレベルがとても
高く意識レベルも日本人と比べて申し分ないことは撮影されている中でとても
良く理解できたという。私も、フィリピンの人が自国のお年寄りに敬意を持って
接している姿勢は、今の日本人には欠落している部分であり、そういったバッ
クグラウンドを持っているというのはこの番組で初めて知った。

その経営者が愕然としてしまったのは、海外で介護士の仕事を目指している
人達にある質問をしたシーンの時だ・・・。

将来・・・介護士の資格が取れたらどこの国で働きたいか?といった質問をし
たところ。カナダが一番多く、次いでヨーロッパ・アメリカ・中国といった感じで、
十数人いた人達の中で「 日本 」と答えた人はたったの1人だったからだ。

なぜ?日本に行きたい人が少ないのか?理由を聞いてさらに肩を落としてい
た。

カナダは、たった2年間現地の介護施設で働くだけで、何と「永住権」が付与
される・・・しかし日本で介護士として働くには、日本の4年生大学を卒業して
いなければならないし、更に日本での介護士の資格試験にも合格しなければ
ならない等、フィリピンの人が日本で働くなど殆ど無理・・・というようなそれは
それは高い壁が立ちはだかっているのだ。

日本こそ受け入れる必要性が世界一高いにも関わらず、受け入れ態勢は世
界一高い壁を用意しているのだ・・・なんて愚かなんだろうと私は感じた。

日本は今、深刻な介護士不足に陥っている。理由は、ハードな仕事に対して
報酬が少ないからだ。一般に介護の仕事は3K(キツイ・キタナイ・キケン)な
職場だと言われている。危険はあまり当てはまらない気もするが、他の2つは
思い切りあてはまると考えられる。

そんな状況下でも、高齢化で老人の人口は急激に増えていく。正直、フィリピ
ンからの介護士の受け入れは急務であると現場は思っているのに、島国根性
の強いわが国の政治は・・・受け入れに対してとても高い敷居を用意してしまっ
ている。だから、フィリピンの高いレベルの介護技術を学んだ人達は・・・皆さん
日本以外の国で働くことを希望しているのだ。

老人ホームの経営者は、最後にこう言っていた。

『 コレはもう政治の問題で、我々ではなんともならない。 』

現場の切実な現実と迫り来る高齢者の急増。これは既にさけられない現実と
して顕在化しているにも関わらず、日本の敷居は下がろうとしない。一体、老人
達はどうなるのか?介護士の不足は50万人にもなるそうだ。そろそろ本気で考
えてもらいたいものだ。

政治家の人達には、一足早く・・・老人ホームでの生活を体験して頂くことをお勧
めしたい。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年04月10日 23:04に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「うっちゃりの精神」です。

次の投稿は「ワールドビジネスサテライトにてオンエア」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。