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『 勝ち組・負け組 』

                                    2007/03/09(金)

『 勝ち組・負け組 』と言う言葉が以前ほど取りざたされなくなってきたが、
先進国の中でもっとも早く少子高齢化を迎える日本としては、様々なところで
冒頭のような格差が確実に拡大しつつあると言える。

例えば、少子化。私の親の世代にあたる団塊の世代の人達の兄弟の数は
とても多かった。私の母親の兄弟は何と9人もいる。だから子供の頃、お盆や
正月などには毎回祖母の家に親戚が数十人集まる。それはそれは賑やか
なものだったのを覚えている。しかし、最近はそのような集まりは全く無くな
ってしまった。

現在の世代の出生率は1.24くらいであるから、一組の夫婦から生まれる子供
の数は、平均して1人である。そうなると、あたりまえだが国民の数は減少し
ていく。国民の数が減れば食品を買ったり、衣類や電化製品を買う人も減る訳
だから当然内需は減少する。

内需が減少すると言うことはイコール、モノが売れなくなるということだ。買う人
の数が減るのだから売れなくなるのはあたりまえだ。ただし、一部の国外に対
し付加価値の高い、競争力のある先端分野を扱っている企業だけが、高い利
益を出し続けることができる。ココに格差を生む第一の要因がある。トヨタやキャ
ノンが最高益を拡大しているのは、国内ではなく海外での売上げが好調だから
だ。国内だけの販売であれば両者とも最高益など到底見込めるレベルではな
い。

国内だけで勝負している会社は、買う人の数が減少し、その少ない購入者の
奪い合いによるダンピング(=値引)合戦にさらされる。利益を確保するのは
至難の業になっていくだろう。モチロン、そういった中でも生き残る企業はいる
のだが、多くの中小企業は厳しい局面にさらされることになる。

また、少子高齢化による地方の過疎化および高齢化は更に加速していく事と
考えられる。2人の両親から1人の子供しか産まれないとなると・・・やがて、
結婚した子供達は、それぞれが住んでいた家のどちらかに一緒に住むことに
なる。となれば、余った方の実家はやがて住む人はいなくなる。

需要と供給の原則から、そうやって余り出す家の価格は下落し、地方の不動
産が売れなくなっていくだろう。地方の若者は賑わいがない地元を飛び出し、
チャンスを求めて、人の多い都心部に集まりだす。だから、地方の不動産価格
は下がっても都心部、特に東京の地価だけは下がらない。ココにも格差が広が
る原因がある。

格差が広がる条件は他にも沢山あるが、全て書いているとボリュームがあり
過ぎるので書けないが、要するにこれからの日本においては格差社会は避け
られず、勝ち組・負け組という格差がより鮮明にならざるをえないという事だ。

従って、今の現役世代である我々や我々以降の若い世代の人達は、他人事
ではなく、これからの未来に対して安穏としていてはいけない。今、将来の避
けられない現実を少しは考え、今、最大限努力することを提案したい。


私は、タクシーに乗ると必ず『 最近の景気はどうですか? 』と聞いている。
今までのところ運転手さんが『 景気は良いですよ 』といった事を返してくる
人は誰もいない。ため息混じりの『 ちっとも良くならない 』という返答ばかり
だ・・・。

景気のバロメーターと言えるタクシーの景気指数は下がる一方なのに、政府
の言う「 いざなぎ景気超え 」とはどこの国の話なのだろうか?わかった、日
本以外の国に違いない。この国の政治化にこの国のことを考えている人って
いるのだろうか?本気でそう思いたくなる国会中継である。ヤレヤレ・・・。


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2007年03月09日 23:55に投稿されたエントリーのページです。

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